公認会計士はやめとけと言われる理由【実はどれも問題ありません!】

「公認会計士はやめとけ」という文句、ネットでもよく見かけます。
会計士受験生やこれから会計士を目指そうとする人は気になるでしょう。

もちろん、そう言われれるには理由がありますし、やめておいた方がよい人もいるのは確かです。

ですが、結論としては、どの理由も本質的には問題ではありませんし、むしろ会計士資格の素晴らしさが垣間見えたりします。

そこで今回は「公認会計士はやめとけ」と言われる理由に正面から向き合ってみます。

目次

最初に警告!こんな人は公認会計士はやめとけ

いきなりきつい言葉でスミマセン。

でもこれだけは真っ先に言っておかないと、最悪、人生が台無しになってしまうかも。

なので最初に言ってしまいます。

結論は次の通り。

  • 資格さえ取ればあとは安泰と考える人
  • 勉強するのが嫌な人

資格さえ取ればあとは安泰と考える人

会計士試験は難しく、メンタル面でも苦しいものがあります。

合格した後はバラ色の天国、オイシイこと三昧、と思いたいところです。

楽して金が稼げて、モテモテで…

確かに稼げるのはその通りですが、「楽して」というのは誤りです。
「大変厳しいがやりがいがある」というのが正解と言えるでしょう
(ただし、やりがいを感じるかどうかは、会計士試験の合否ではなく、合格後のあなた次第です)。

勉強するのが嫌な人

会計士試験が大変なあまり、

「試験合格したら勉強から解放されるに違いない」

こう考える人もいるでしょう。

でもこれも間違い。

(合格したら)会計士試験自体の勉強からは解放されますが、もっと質の違う勉強が求められます(しかも今度は終わりがありません)。

また、それ以前に実務補修と修了考査があります。

公認会計士はやめとけと言われる理由①:正式に資格を取るのに時間がかかる

最初は公認会計士になってからではなく、公認会計士になるまでのマイナス面です。

ここでは試験絡みを中心に3つ挙げときます。

  • 国家試験合格まで膨大な時間がかかる
  • しかも合格できる保証はなし
  • 正式に公認会計士になるには試験合格後もさらに3年かかる

先ず国家試験である公認会計士試験をクリアする必要があります。
これが難関です。

最低でも3000時間とも5000時間ともいわれます。
合格率は10%以下

それも多くの受験生が学生か無職です。
つまり実質的に受験勉強に集中できる人達どうしの競争です。

当然ながら、時間をかけたからと言って必ず合格する保証なんてありません
いえ、むしろ10年費やして結局ダメだった、なんて人も皆無ではないのです。

さらに大変なのは、国家試験合格だけでは公認会計士になれないということです。

試験合格後に、監査法人等での実務経験と補修所での実務補修を経なければなりません(注:実務経験は試験合格前でも可)。
その上で修了考査を受けることになります。

別に脅しでもないのですが、仕事をしながらの補修所通いは大変ですし、修了考査の試験問題の難しさは、公認会計士試験の比ではありません。
実務のプロであることを試される試験なのです。

ちなみに、この修了考査は合格率約5~60%ですが、受験者が会計士試験合格者であるこを考慮すると結構厳しい!
しかも近年は難化傾向にあります。

🍀ここで上記理由に反論してみる

こうした理由の背景には、実は次の二つの問題が隠されています。

  • 勉強法が間違っているから試験に受からない
  • 試験合格後も勉強していこうという意志がない

正しい勉強法などは、今日ではいくらでも情報は入手できますし、最終的には各人の自覚と実行の問題です。

また、勉強していく意志については最初に述べた通りです。

前向きに夢をもって努力しようとする人には、殆ど関係ないマターと言ってよいでしょう。

補修所や修了考査にしても、会計士試験に合格した人なら、なんとかなるはずです。

公認会計士はやめとけと言われる理由②:仕事が激務

首尾よく国家試験に受かって監査法人に就職できても、その後がまた大変です。

待ってるのは激務。決算期を中心に遅くまで残業、残業、…

背後には

  • 時代の流れとともに監査のあり方が変わってきた
  • 会計基準・関係法令等へのキャッチアップが大変
  • 金融庁等への対応も大変

等の事情があります。

開けても暮れても、品質管理やら新しい会計基準やらで、変更と対応、変更と対応…

私の頃も、毎週のように週刊誌(経営財務や税務通信等)に目を通して、最新の情報に知識をアップデートしたのを覚えています。

確かに専門家としては勤務、独立を問わず、新しい法制度や基準等に対応していかなくてはなりません。
未知の案件に携わることも少なくないでしょう。

とにかく現役で仕事をしている間は一生勉強していくのです。
終りはありません。

また数年ごとにやってくる、お役所(金融庁など)の検査・レビューこれがまた試練の連続。
最悪の場合、事務所はなくなってしまいます。

ここでは事実上、書類(監査調書等)の整備=仕事(監査)の品質といっても良いくらいで、膨大な量の作業をこなさなければなりません

これが整わないと、クライアントではなく監査法人がヤバいことになってしまうのです(もちろん巡り巡ってクライアントにもしわ寄せがいきます)。

🍀ここで上記理由に反論してみる

これも、最初に述べたことをしっかり自覚できていれば問題ないはずです。
そもそも充実した仕事に安直なものなんてないですから。

また、監査が激務で嫌なら、他にいくらでも選択肢があります。

例えば、高額時給のパート勤務に切り替えることもできますし、独立してマイペースで仕事をすることも可能です。
ワークライフバランスを実現するための途はいくらでも開かれています。

公認会計士はやめとけと言われる理由③:パートナーになれば成功なの?

監査法人で出世するのは今日では大変です(上が詰まっていて、マネージャークラスが限界とのこと)。
これ自体が「会計士はやめとけ」と言われる理由になり得るのですが、ここではこの先についても覗いてみましょう。

仮に出世競争に勝ち抜いてパートナーに就けたとして、そこに理想の会計士像があるのでしょうか?

どうやら、よい事ばかりではなさそうです。

(守秘義務もあって)彼らは口数が少ないですが、組織のしがらみや人間関係に辟易しているのが伝わってきます(いわゆる社内政治に明け暮れる人もいるほどです)。

また、当然ながらパートナーになるには、上の人たちの引き立てなり後ろ盾なりが必要になってきます。

でもこれって何を意味すると思います?

筆頭責任者と同く責任は無限大。

でも、ホントにそれに見合う権限ってあるのでしょうか?

状況によっては、会計士としての自分の信念を貫こうにも、
キミは誰のおかげで、ここまでこれたと思ってるんだ!」みたいになりがちです(どの世界にも絶対的な”ドン”という者はいるもの)。

確かに今日では、何か問題や懸案事項があれば、審査会(ケースによっては法人組織全体)で対処することになっています。

でも現実は…

そんな中、しばしば耳にするのが、
筆頭責任者と次席責任者がクライアントを巡り衝突する話。

折り合いがつかない場合は、通常、後者が法人を去ることになりますが、遅すぎます。

ライフスタイルも相当な水準を享受しているようで、経済的にもやり直すのが極めて困難だからです。

🍀ここで上記理由に反論してみる

もうお分かりになる人も多いと思います。
そうです。
会計士の成功=監査法人での出世、という狭い図式にとらわれていると、「会計士はやめとけ」の呪文に悩まされます。

確かに、監査業務は会計士の独占業務ではありますが、それをずっと続けていく必要は全くありません。

多くの活躍のフィールドがある中で、ご自身に合った分野や職場へ転職すれば済むことです。

ただし、そのタイミングは早い方が良いことは認識しておいてください。

公認会計士はやめとけと言われる理由④:就職できない悲劇

この記事を執筆している時点(令和4年10月)では、就職状況は比較的好調と言えるでしょう。

近年の試験合格者は1300~1400人ほどで推移していますが、就職希望者の殆どが就業できている状況です。

ですが、この業界、人手不足と就職氷河期が交互にやってきました。
しかも、突然(極端なときは1年で)180度状況が変わるうえ、その落差が激しいのです。

昨年まで一社当たり何百人も募集していたのに、今年は数十名だけ、なんてことも。

これだと、最悪、資格取得の要件である実務経験が積めません。
事実上、公認会計士の資格が取れなくなってしまうのです。

今の状況では想像できないかもしれませんが、こうした状況が再来しないという保証はありません。

🍀ここで上記理由に反論してみる

結論は
もし仮に再び就職難になったとしても、だいたい2~3年で状況は回復していきます。
会計士業界の過去をみれば明らかです。

つまり、最悪の状況下でも(本人が諦めなければ)決して会計士資格が無意味になることはないのです。

結局、「資格さえ取れれば安泰」などという発想を捨てれば、大局的な視野が開けていきますし、
大手監査法人への就職=人生の成功・充実、ではないことは、上で述べてきた通りです。

公認会計士はやめとけと言われる理由⑤:AIに仕事を奪われる

監査業務の現場での作業は、毎年同じことの繰り返しのようなところがあります。
資料も、毎回、同じようなものがクライアントから提出されますし、現場の会計士も同じような書類を作成していきます。

表面的にはルーティン作業が続くことは否めません。
必然的にAIが台頭し、会計士にとって代わるという声がでてきます。

また、リスク評価などの分析についても、今後はAIを積極的に活用することも十分あり得ます。
AIの進歩に終わりはなく、人間に果てしなく近づいていく可能性があるからです。

その結果、究極的には、単に機械的作業のみならず、判断業務さえも会計士に代わり得る、という結論までいきそうです。

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結論としては、
AIが人間に果てしなく近づいていくことは考えられるものの、会計士に全面的に取って代わることはあり得ません。

なぜなら、

  • 会計上の判断やリスク評価に唯一絶対の正解(模範解答)など存在しない
  • クライアントとの交渉やコミュニケーションは、AIには代替できない側面がある

からです。

会計上の判断にせよ、リスク評価にせよ、(受験勉強とは異なり)実務には唯一絶対の正解などありません。
しかも様々な要因を勘案して全体的に判断、評価するとなると、なおさらです。

また、ビジネスの相手はAIではなく、結局は生身の人間です。
その人間であるクライアントとの交渉やコミュニケーションは、機械的には決して進みません。
例えば、政治的な要素や人間特有の側面がついて回るのです。

もし、仮にそこまでAIがやってしまうのであれば、世の中のすべての仕事はAIに取って代わり、人間が行う仕事自体が皆無となってくるでしょう。

そこまでくれば、もはや公認会計士に限った問題ではなく、社会や人間のあり方という、全く別次元の問題となってきます。

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公認会計士ってなんて素晴らしのだろう!

ご存じの通り、公認会計士の仕事は監査だけではありません。むしろ、

無限の可能性に満ち溢れている

と言っても過言ではないでしょう。

会計・財務は企業活動の中枢であり、しかも経営やビジネスの全ての領域が関連してくるからです。

例えば、監査業務のほかに

  • 各種コンサルティング
  • 株式上場支援
  • 企業のCFO
  • 税務業務
  • 独立開業

なども会計士のフィールドです。

また、分野ごとに、金融のプロIT分野に強い不動産が得意外国語や外国税制に精通している、などと言った具合に発展していくこともできます。
もちろん、上で述べた通り、独立だってできるし、ワークライフバランスの実現も思いのままです。

つまり、業務の可能性は無限に広がっており、会計士各人の選択肢もまた然りということです。

「公認会計士はやめとけ」と言われる理由が、実にちっぽけなものであるのがわかると思います。

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さいごに

公認会計士はやめとけと言われる理由について解説してきました。

どれも当事者からすると、大変深刻なものばかりですが、会計士資格を否定するほどのものでは決してありません。

むしろ会計士資格を正しく理解することで、いくらでも見方は変わってくるものです。

なので、近視眼的にこの資格を捉えるのではなく、大局的にみていただけたらと思います。
素晴らしい資格であることが分かるはずです。

最後になりましたが、公認会計士試験の受験生につきましては合格を願っています。

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