税理士の年収の現実を徹底検証!高収入を得るにはどうしたよいのか?

財布を開こうとする男性

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税理士志望者はもちろん、会計業界の人にとって気になるのが、その年収です。

様々な疑問も湧いてくるでしょう。例えば、

  • 開業税理士と勤務税理士ではどちらの年収が高い?
  • 自分の年収は業界相場からして妥当なのか?
  • 高収入が得られる税理士の働き方とは?

など。

目指したはいいが、現実には税理士は低収入だった、なんて絶対避けたいですよね。

そこで今回の記事では、こうした疑問や懸念をスッキリさせていこうと思います。
特に税理士を目指そうとする方にとっては、これからのキャリア設計に役立てるように解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の執筆者

・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:税理士・公認会計士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所運営

目次

税理士の年収の現実

税理士の年収の概要

取り敢えず結論です。

税理士の平均年収:740万円

この数値は、以下で紹介する「第6回税理士実態調査報告書」を基に算定しています。

ただし、これはあくまで一つの目安であって、税理士の働き方一つとっても年収は変わってきますし、当然ながら個々人によっても相当の開きが生じてくるものです。

データのとり方によっても違ってくるでしょう。

よって、この記事では、様々な働き方を念頭に、税理の年収事情を以下、徹底検証していきます。

次に高い年収を得るための留意事項をまとめておきます。

  • BIG4などの大手税理士法人のパートナーを目指す
  • 独立開業は年収の観点からは、必ずしもオススメではない
  • 早い段階から税理士としてのキャリア設計をする

こちらも具体的なデータに基づいて、見ていきます。

当記事で参照した根拠資料・データ
  • 「第6回税理士実態調査報告書」(スタディング税理士講座・日本税理士会連合会)
  • 「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
  • 転職エージェントの求人サイト(ヒュープロ・MS-Japan・マイナビ税理士・レックスアドバイザーズ)

年齢別の内訳

まずは年齢別の観点から見てみます。
利用する指標は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」です(注:企業規模10人以上を対象とした賃金調査です)。

年齢層年収
20~24歳475万円
25~29歳568万円
30~34歳619万円
35~39歳723万円
40~44歳795万円
45~49歳820万円
50~54歳868万円
55~59歳1,072万円
60~64歳599万円
65~69歳661万円
70歳~~629万円
全体747万円
引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

全体の平均年収は747万円です。
上の結論で述べた数値(740万円)とほぼ同じですが、注意点があります。

それは、厚生労働省のデータには、公認会計士の年収が含まれていること、および独立開業者が含まれていないこと

特に公認会計士の多くが大手監査法人に勤務しているのに対して、税理士は会計事務所勤務もしくは独立していることが多いでしょう。

大手監査法人の給与体系は一般的な会計事務所より高く、また、その構成員の数は大手税理士法人のそれより遥かに多いのが現実です。

ただし、会計士といえども企業勤務や独立開業のケースでは、基本的に税理士と殆ど変わりません。

以上より、厚生労働省のデータは一つの参考値として見ておくとよいでしょう。

なお独立開業のケースは後で詳細に検証してみます。

税理士の属性別(働き方別)の平均年収

次に、日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」のデータを見てみます。

冒頭で述べた平均年収の基になるものです。

属性平均年収
社員税理士886万円
所属(補助)税理士597万円
開業税理士744万円
全体740万円
スタディング税理士講座・日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」に基づき作成

社員税理士とは、一言でいえば税理士法人の経営者兼オーナー(出資者)のことです。いわゆるパートナーと呼ばれる人たちがそれに該当します。
また、所属(補助)税理士は、会計事務所や税理士法人で雇われている税理士と考えていただければよいでしょう。

年収順位は次の通り。

社員税理士>開業税理士>所属(補助)税理士

もっと言ってしまうと、

独立開業するよりも、転職して税理士法人で社員税理士を目指す方が高収入を得られる

ということです。

勤務税理士の年収の現実

通勤するビジネスマン

年収別の割合を検証

ここからは、社員税理士と所属税理士の年収分布を見たうえで、さらに細かく内容を見ていきます。

注:「報告書」には無記入の回答がありましたが、データの精度を高めるため、無記入回答の割合は除いて独自に再集計しています(後で述べる開業税理士の割合、及び年収1,000万円以上・2,000万円以上の割合も同じ)。

社員税理士

年収帯割合
~300万円9.7%
300万~500万円12.3%
500万~700万円15.2%
700万~1,000万円24.0%
1,000万~1,500万円21.3%
1,500万~2,000万円9.1%
2,000万~3,000万円5.7%
3,000万~5,000万円2.0%
5,000万円~0.7%
886万円(平均値)
スタディング税理士講座・日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」に基づき作成

大雑把に見て、社員税理士の半分近くが700万円から1,500万円の間に分布しています。
社員税理士の平均年収の高さを牽引していると言えるでしょう。

所属(補助)税理士

年収帯割合
~300万円12.2%
300万~500万円28.6%
500万~700万円32.2%
700万~1,000万円19.1%
1,000万~1,500万円6.1%
1,500万~2,000万円0.8%
2,000万~3,000万円0.6%
3,000万~5,000万円0.02%
5,000万円~0.02%
597万円(平均値)
スタディング税理士講座・日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」に基づき作成

700万円以下が全体の7割以上を占めている一方、1,000万円以上はかなり少なくなっています。

この分布状況からみると、所属(補助)税理士という働き方では高い年収は期待できないのでは、と思う方もいるかもしれません。

会計事務所・事業会社・コンサル等ごとの年収

ここからは勤務先や業務内容ごとの年収になります。

具体的には、求人サイトを通じてサンプリングしたうえで、提示された年収(範囲)の平均を算定しています。

会計事務所

年収範囲の平均379万~643万円
上記範囲の中間511万円
最安値300万円
最高値1,000万円
サンプル件数43件
参照求人サイト:ヒュープロ・MS-Japan

一般的な会計事務所です。
業務内容が殆ど同じこともあってか、全体的に年収範囲にそれほど大きな違いはありませんでした。

未経験者は300万円台後半からスタートとなります。
中には300万円というところもありましたので、無資格で全くの未経験の場合は、通常の新卒より給与は低く感じるかもしれません。

他方、上は600万円台が多く、ある程度、実務ができるようになっても、一般的な事務所では年収は頭打ちになりやすい、というのが正直なところです(年収上限が1,000万円以上の提示は、43件中、1件のみ)。

事業会社

年収範囲の平均542万~832万円
上記範囲の中間687万円
最安値400万円
最高値1,500万円
サンプル件数52件
参照求人サイト:ヒュープロ・マイナビ税理士

一般的な会計事務所より年収は高めです。
また年収の範囲にも幅がり、年収が1,000円以上の求人も52件中14件ありました。
業種にもよりますが、ポジションによっても変わってきます(報酬は資格よりも企業の給与テーブルに基づきます)。

また、上にいくにつれ経理や税務の実務能力以外にも、部下や仕事の進捗についての管理能力(マネージメント能力)が求められ、これが年収に反映すると言えます。

経験者の求人についても、経理や税務の実務はもとより、マネージメント経験を求めているところが多かった印象です。

コンサルティング(FASなど)

年収範囲の平均505万~1,088万円
上記範囲の中間796万円
最安値340万円
最高値2,500万円
サンプル件数63件
参照求人サイト:MS-Japan・マイナビ税理士・レックスアドバイザーズ

ここからは、やや専門的な分野に的を当てて見ていきます。

事業再生やM&Aを含む財務コンサルを中心とする年収です。
とにかく年収に幅があり、かつ上が高額なのが特徴です。
63件中、年収上限について1,000万円以上が43件、2,000万円以上が2件ありました(この2件を中心に、M&A絡みが特に高額)。

ただし、全てが高額というわけではなく、どのような仕事をするのか(どのような課題に取り組むのか)によって大きく分かれていく感じがします。また、各人のパフォーマンス(実績)も厳しく問われそうです。

求人内容としても、単にマネージメント能力だけでなく、全社的な経営課題に対する解決能力が求められています。

資産税・相続税関連

年収範囲の平均470万~880万円
上記範囲の中間675万円
最安値350万円
最高値1,500万円
サンプル件数30件
参照求人サイト:レックスアドバイザーズ

税務業務のなかでも高収入が期待できる分野なのが、この資産税。
ですが、正直、思ったほど高額ではありませんでした。

資産家等の富裕層をターゲットにすれば、資産税は稼げる、というイメージですが、
やはり個人が対象であるせいか通常の相続案件では限りがあるようです。

一般的な税務に比べれば高収入が期待できるものの、企業(法人)相手の財務コンサルと比べると低いと言わざるを得ません。
ちなみに上限が1,000万円以上は、30件中11件でした。

金融機関

年収範囲の平均617万~1,099万円
上記範囲の中間858万円
最安値320万円
最高値1,800万円
サンプル件数18件
参照求人サイト:マイナビ税理士

事業会社の中でも(メーカーに比べ)高額の印象があったので調べてみました。

案の定、総じて高額で、年収上限も1,000万円以上は18件中、14件でした(注:最安値は320万円ですが、この1件を除いた最安値は500万円でした)。

全体的に見て、先のFASに比べ多少高いといったところでしょうか(特に下限が高い)。

また、FASが、どちらかというと会計事務所寄りなのに対して、金融機関は、証券や生保といった事業会社、というイメージです(業務内容は重なるところが多いと思われます)。

税務や財務の専門能力を磨きたい方はFASコンサルを、経営やビジネスの当事者側に立ってみたい方は、金融機関を検討してみるとよいかもしれません。

BIG4税理士法人の給与体系について

BIG4税理士法人とは、大手監査法人系列の税務部門のことを指します。

具体的には「PwC税理士法人」「デロイト トーマツ税理士法人」「KPMG税理士法人」「EY税理士法人」の4大事務所です(これ以外にも、我が国の独立系大手事務所として、辻・本郷税理士法人と税理士法人山田&パートナーズがあります)。

大手監査法人系列だけあって、その給与体系及びポジションも監査部門と似たような構成になっています。

スクロールできます
スタッフ500万~700万円450万~650万円
シニアスタッフ700万~800万円550万~800万円
マネージャー1,000万円程度800万円~1,000万円以上
パートナー1,500万円以上1,500万円以上
参照求人サイト:左側:MS-Japan、右側:マイナビ税理士

大雑把に言うと、スタッフは現場の実務を担当し、シニアスタッフは、その現場の取りまとめ。

マネージャークラスに達すると、本格的な管理者としての仕事が中心となり、営業(顧客獲得)にも関与するようになります。

そしてパートナーですが、ここは別格。出資者兼経営者の立場に立ちます。

年収についてですが、勤務税理士としては全体的に高収入と言えます(マネージャークラスは30代が多いですが、ここで1,000万円の大台に乗ってきます)。
勤務税理士として安定性と高い年収を狙うのであれば、ここを目指して転職するのがベストです。

ただし当然ながら、メチャクチャハードなうえ、出世競争も狭き門です(今日ではパートナー昇進率は数パーセント)。
事業会社とは一線を画する税理士事務所ではありますが、士業特有の自由業のイメージも全くありません。

あと、マネージャークラスになると管理職になりますので、残業代が支給されなくなる点は注意が必要です。
つまり、実績がさらに厳しく問われるということです。

なお、ここでも上記と同様、参考までにBIG4の求人サンプルを集計してみました。

年収範囲の平均510万~859万円
上記範囲の中間684万円
最安値350万円
最高値1,300万円
サンプル件数28件
参照求人サイト:レックスアドバイザーズ

年収上限が1,000万円以上の提示は28件中、10件でした。
求人ポジションはスタッフからマネージャー候補までと考えられます。

全体的に一般的な会計事務所よりは高く、資産税事務所の年収に近いと言えるでしょう。

開業税理士の年収の現実

自分の仕事机

年収別の割合を検証

年収帯割合
~300万円33.1%
300万~500万円17.6%
500万~700万円12.6%
700万~1,000万円14.2%
1,000万~1,500万円11.6%
1,500万~2,000万円5.3%
2,000~3,000万円3.6%
3,000~5,000万円1.6%
5,000万円~0.5%
744万円(平均値)
スタディング税理士講座・日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」に基づき作成

まずここで注意したいのは、平均年収は744万円となっていますが、これでも一部の稼いでいる税理士が年収を引き上げているということです。

つまり、現実的には年収はさらに低く、中央値(真ん中の数字)の方が実態に即していると思われます。
上の表でいえば、500万円あたりがその値です。

さらに言うと、3割以上の税理士が300万円以下となっています。

結局、かなり以前から(平成の早い時期から)開業している方と、近年独立された方とでは状況が違ってきているように見受けられます。

今後は、「独立すれば744万円は稼げる」と考えるのは慎重にした方がよさそうです。

開業税理士の年収は本当に低いのか

開業税理士の売上(年商)

ここで、開業税理士の年収の基礎となる、事務所の売上高(年商)について触れておきます。

一般的な税理士事務所の場合、売上高(年商)は顧客からの報酬単価と顧客数から成り立ちます。
相続などの単発の案件もありますが、基本的にはこの報酬・顧問料の単価が税理士の売上を大きく左右するでしょう(必要に応じて、税務調査の立会料が加わったりもします)。

典型的な中小零細事務所の年商例は次の通り。

税理士報酬が年間40~50万円、担当件数を1人当たり20件と仮定すると、
1人当たりの売上は、概ね800万円から1,000万円になる計算です
(税理士報酬は「第6回税理士実態調査報告書」を踏まえて独自に計算しています)。

現実には多くの税理士が、売上(年商)1,000万円以下であり、そこから経費を除くことで、最終的に年収が決まります。

なお、この1,000万円という数字は、同調査報告書の結果の中央値(真ん中の数値)より多少低い、といったところでしょうか(報告書の分布によれば、売上1000万円以下が5割弱、1,000万~2,000万円が2割弱となっています)。

開業税理士の収益構造

1人当たりの事務所売上高(年商):1,000万円
年収:500万円

注:平均値よりも中央値を念頭にしています。

あくまでの一つの参考値ですが、いかがでしょうか。

また、先の「報告書」によれば、約3割の開業税理士が、1人当たりの売上が500万以下、年収300万円以下、とのこと(ちなみに約7割の開業税理士が、所長税理士だけの、いわゆる一人事務所となっています)。

ひとつの結論としては、

開業税理士は、勤務税理士に比べて稼げていない

とも言えそうです。

筆者が税理士会に入会した時の印象ですが、多くの若手開業税理士は事務所を軌道に乗せるのに苦労していたようです。
とにかく、ありそうな仕事は何でもかんでも引き受けなければ!といった感じでした。
暇を持て余していそうな人も少なくありません。

開業税理士には経費枠がある

実は、開業税理士には、いわゆる経費枠があります(税理士に限った話ではないのですが)。

事業をしていればわかりますが、とにかく合法の範囲内であらゆる手段で節税に励むものです。
この点は税理士といえども変わりません。

例えば、自宅開業している場合、固定資産税や電気代(貸家なら家賃等)、車両関係について、相当の部分を経費にするのが通常です(細かく集計せず、ザックリと半分以上、経費に落としていることも多い)。
奥様を青色専従者扱いにしている開業税理士も少なくないでしょう。

こうして、許される範囲で徹底的に年収(≒所得)を抑えるのです。
勤務だと、給与控除はあるものの、こうはいきません。

となると、開業税理士にとっては、年収もさることながら、売上も大切な指標と言えます。

特にワークライフバランスを重視する今日では、(人にもよりますが)自由を享受しつつ売上1,000万円というのも悪くないような気がします。

稼いでいる開業税理士の特徴

では稼いでいる開業税理士の先生方はどうしているのでしょうか。
ここでは、私の経験・周囲の状況をも踏まえ、その特徴について述べてみたいと思います。

いくつかあるのですが、例えば次のようなことが挙げられます。

  • 記帳代行業務をやらない
  • 社長の相談業務、コンサル中心
  • 自宅開業せず、開業当初から人を雇い、組織化を目指す

🍀記帳代行業務をやらない

どちらかというと、(税理士事務所経験の少ない)会計士税理士に比較的多いパターンです。

とにかく記帳代行業務は結構手数がかかる割には、報酬が安くなりがちです(つまり効率が悪いということ)。
伝統的な会計事務所のメイン業務であることには変わりないのですが、やがて近い将来、AI等に完全に業務を奪われるかもしれません。

そこで顧客に会計業務の自計化を指導していきます(会計ソフトの導入など)。

ちなみに、外資の顧客は払いが良く(報酬単価が高い)、狙い目だそうです(英語も、一般的な会計英語の読み書きができればOKとのこと)。

🍀社長相手の相談業務、コンサル中心

記帳代行といったルーティーン業務の代わりに、社長相手の相談業務やコンサルを中心にしていた先生方は、共通して皆、高収入。

事務はもっぱら決算と申告です。
中には、監査役もかねて顧問をやっている税理士もいました。

こうすることで、例えば一人事務所(顧問先20件)でも年収1,500 万円は十分いける、というのが筆者の総合的な感触です。

ただし、顧客もそれなりの規模のところとなります(小規模零細企業だと、どうしても記帳代行が中心になりがちです)。

🍀自宅開業せず、開業当初から人を雇い、組織化を目指す

なかなか今日では難しいのですが、このぐらいの意気込み(覚悟)で取り組んでいる方は軌道に乗るのも早かったように思います。

ただし、こうした方は早い段階から税理士としてのキャリア設計を行い、様々な経験を積んできている方が多いです。

これからは、ただ漠然と会計事務所に勤務して独立しよう、では、高い年収は難しいかもしれません(ただし、独立自体はそれほど難しくはないでしょう)。

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年収1000万円以上稼ぐ税理士の割合

ゴールドのクレジットカード

ここでは先の「第6回税理士実態調査報告書」のデータに基づき、1,000万円以上および2,000万以上を稼ぐ税理士の割合を集計してみます。

年収1,000万円以上の割合

税理士の属性各属性内での割合
社員税理士38.8%
所属(補助)税理士7.6%
開業税理士22.5%

社員税理士の4割近くが1,000万円以上稼いでる結果となっています。

他方、開業税理士も2割以上占めていますが、上で述べた通り厳しいのが現実です。

いずれにしても、1,000万円の大台に乗るには社員税理士がベストということになります。

年収2,000万円以上の割合

税理士の属性各属性内での割合
社員税理士8.4%
所属(補助)税理士0.7%
開業税理士5.7%

年収2,000万円以上の社員税理士も8%以上います。
ここでも社員税理士の年収の高さを裏付けています。

なお、所属(補助)税理士でも約0.7%の人が2,000万円以上稼いでいます。
ひとつの推測ですが、実務(例えば高度な相続案件)で高い実績をあげたり、顧客獲得に貢献できれば、高収入が期待できます。

高収入に結びつく税理士の働き方とは

税理士の(働き方別)年収ランキング

まず、今まで拾い上げてきたデータを使ってランキング付けしてみようと思います。

順位働き方・業種年収
1位社員税理士886万円
2位金融機関858万円
3位FAS(コンサル)796万円
4位独立開業744万円
5位事業会社687万円
6位BIG4(パートナー除く)684万円
7位資産税関連675万円
8位会計事務所勤務511万円

結果は、社員税理士がトップです。
しかもBIG4系パートナーなら1,500万円以上です(ただしパートナーにたどり着けるのは、わずか数%)。

次に金融機関やFASコンサルが続きますが、このあたりですと、各人の実績・パフォーマンス次第で年収はかなり上がっていきそうです。

BIG4(パートナーを除く)や資産税関連については、最終的な目標というより、経験値を高めるためのキャリアの一環と捉えた方がよいかもしれません。
ここでの経験は、FAS(コンサル)や独立開業で高収入を目指したりする際に、確実に生かされてくるのですから。

あと、一般的な事務所勤務の年収ですが、このランキングでは最下位でした

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年収1,000万円以上の求人例(仕事内容)

次は、年収1,000万円以上を提示していた、具体的な求人例です(BIG4パートナーを除く)。

スクロールできます
年収帯業種職種・仕事内容
1,200万~2,000万円上場企業経理部長候補
1,200万~1,500万円事業会社キャピタリスト・ファンド管理
1,200万~1,600万円上場企業CFO候補(※)
1,000万~1,200万円上場企業経理マネージャー
1,000万~1,200万円税理士法人事業承継・組織再編・事業再生
1,050万~1,330万円税理士法人相続税・チームマネージメント
1,000万~1,200万円BIG4税務コンサルタント・税務マネージャー
1,050万~1,300万円会計事務所事業承継・相続税
1,000万~1,500万円会計事務所FAS・M&A・デューデリジェンス
参照求人サイト:ヒュープロ

主な求人は、事業会社の管理職のほか、税理士法人などでの専門性の高い職種です。

特に後者では資産税やFAS関連の求人が目立ちましたが、このクラスの求人なら、キャリアの一つの着地点(目標)としてもよいのではないでしょうか。

(※)IPO準備ベンチャーでも、CFO候補を1,000万円以上で相当数募集していますが、
このポジションは税理士というよりは公認会計士向けと判断し、割愛しています(注:IPO業務<株式公開準備>は税務というより監査寄りです)。

高収入を得るコツとキャリア設計について

キャリアウーマン

高収入を得るには

ここまで解説してきておわかりだと思いますが、税理士資格だけでは高収入はあまり期待できません。

BIG4、FAS、資産税等、どれ一つとっても非常に実務としての専門性が高いです。
記帳代行やデータ入力とは全く次元が違います。

また大手税理士法人にせよ、事業会社にせよそれなりのポジション(例えばマネージャーなどの管理職)になれば、管理職としてマネージメントが要求されます。
陣頭指揮をとりつつ、業務を取りまとめてリーダーシップを発揮していかなくてはなりません。

さらにパートナーになれば対外的な交渉能力、営業能力も問われてくるでしょう。

他方、開業組であまり稼げていないのは、机で黙々とデスクワークに励むだけ、というタイプの人。
一見、会計事務所は細かな作業が多く、狭い意味での実務さえこなせればよい、と考えられがちですが、それでは収入的に限界があります。

仮に一人事務所を開業する際でも、付加価値の高い業務をこなすには、それなりの交渉や(優良顧客獲得ための)営業がついて回ります。
事務所を組織化するとなると尚更です。

要するに、高収入を得るコツは

  • 高度な専門性を身につける
  • マネージメント能力・営業能力を高める
  • そのための実務経験を積む

と言えます。

成功のカギは早い段階でキャリア設計をすること

成功するために実務経験を積むことは大切ですが、ここで一つ問題(キャリアの壁)がでてきます。

それは年齢です。

そこで最も大切なのは、

早い段階でキャリア設計をする

ということ。

一見すると、士業(とくに独立開業)の場合、年齢は関係ない、と思われがちですが、それは半分正しく、半分誤りです。

特に全くの実務未経験者が会計事務所に転職できるのは、基本的に30代前半までです

さらに、事業会社で幹部を目指すには、それなりのマネージメント経験が求められますし、IPO準備企業のCFOは結構若い人が多いです(30代が少なくない)。

ズバリ、年齢的なことを言えば、

30代前半までに資格を取得し、かつ一通りの実務を経験したうえで、それ以降のキャリアの着地点(目標)に備えることが必要です。

特に、転職して組織でリーダーを目指すのか、独立開業を目標とするのか、についての決断はできるだ早い方がよいでしょう。

高収入に結びつくキャリアルート例

いくつか具体的なキャリアケースを挙げると

ケース1

一般税務(通常の会計事務所)➡FAS➡独立開業もしくは金融機関

ケース2

一般税務(通常の会計事務所)➡BIG4➡独立開業もしくは事業会社マネージャー

ケース3

一般税務(通常の会計事務所)➡資産税➡独立開業

どれもキャリアを3段階に分けていますが、遅くとも30代前半で、2段階目(自分の専門分野や将来の方向性を定めていく段階)に入っている必要があります。

また、最終的に成功のための決め手となるのが、やはり転職エージェントの活用。

ここでは、税理士・会計事務所に強いエージェントを紹介しておきます。

スクロールできます
ヒュープロMS-Japanレックスアドバイザーズ
得意分野会計事務所
税理士法人
管理部門
士業
公認会計士
税理士
主な年齢層25歳~50歳20代~50代20代~40代
設立(歴史)20151990年2002年

上記のうちで迷ったら、ヒュープロがオススメです。

設立は比較的最近ですが、求人数が豊富なうえ(全国9,000件以上)、税理士事務所への転職サポートでは特に強みを発揮しています。

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なお、他社についても優良エージェントなので、併せてのご利用も一考です。

終わりに

成功して余暇を楽しむ男性

税理士の年収の現実について、様々な観点から解説してきました。

簡単にまとめますと次の通りです。

  • 税理士の平均年収は740万円
  • 高収入を得るには税理士法人パートナーを目指す
  • 独立開業は年収面からは必ずしもオススメではない
  • できるだけ早い段階からキャリア設計をする

注意したいのは、税理士各人によって年収実態は結構様々であるということ。
また、パートナーなどは、そこまで到達するのが至難の業だったりします。

なので、税理士を目指される方につきましては、本記事を参考にしていただき、ご自身に合った税理士キャリアを歩んでいただきたいと思います。

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