公認会計士のバイト(非常勤)の時給及びメリット・デメリットを解説

公認会計士のバイト(非常勤)に関心がある人は少なくありあません。
激務から解放されたい、独立が軌道に乗るまで収入を得たい、等。

他方で、バイトを巡っては不安要素も付いて回るものです。
例えば

  • バイトって時給安くない?
  • 楽な分、不安定では
  • どうやって求人は探したらいいんだろう

どれももっともといえます。

そこでこの記事では、これらの点を踏まえ、公認会計士のバイト(非常勤)の時給やメリット・デメリット、さらには求人の探し方についても解説していこうと思います。

ちなみに私はあわせて3つの監査法人で働いたことがあります(中小法人でのバイトを含む)。
やはりバイト(非常勤)にはメリット、デメリットのほか、事務所によって相当の差異があったことは確かです。

目次

公認会計士のバイト(非常勤)の時給と年収

通常、公認会計士のバイト(監査の非常勤)は、年単位の業務委託契約となります(事務所によっては雇用契約もあり得ます)。

そこでは、あらかじめ報酬単価(時給)が決定されますが、
バイトの単価としては最も高額な部類に属するといえます。

ただし、大手と中小では時給単価に多少の差異がありますので、以下、具体的に記しておきます。

まず結論として大手で時給5000円、中小で6000円以上が目安となります(参考:会計求人プラス・会計業界topics)。

これ基に年収・月収をシミュレーションしてみると

大手監査法人
  • 時給単価@5,000円
  • 一日7時間として@5,000円×7H=35,000円(日給)
  • 年間240日稼働するとして35,000円×240日=8,400,000円(年収
  • 仮に一月10日稼働するとして35,000円×10日=350,000円(月収
中小監査法人
  • 時給単価@6,000
  • 一日7時間として@6,000円×7H=42,000円(日給)
  • 年間240日稼働するとして42,000×240日=10,080,000円(年収
  • 仮に一月10日稼働するとして42,000円×10日=420,000円(月収

となります。

大手監査法人はコスト削減意識もあり、相対的に業界としては低めです。

また中小については、とりあえず時給単価@6,000円としましたが、実際には時給単価は7000円に近いというのが私の印象です事務所によってかなり幅があるということです)。

中小でも安ければ大手と同じく5000円(これを下回ることは基本的にない)、上は10,000円といったところでしょうか。

公認会計士のバイト(非常勤)のメリット

ここでは業務委託契約を前提に解説します。

高単価で効率よく稼げる

最大のメリットは、上で述べた通り高単価で稼げることです。

特に中小法人では非常勤でも(計算上は)年収1千万に届きます。

私の経験したところでは、安いところで日給にして35,000円(大手と同じで最安値)、高いところで60,000円でした。

拘束される時間が少ない

業務委託契約ですので、拘束時間はあらかじめ決まってきます(9時から5時までなど)。

決算期等の忙しい時期を除き残業はありません。

決算期でも残業時間は長くて2~3時間ぐらいです。
事務所によっては殆ど残業がないところも。

また、常勤と異なり勤務日数も弾力的に決めることができます。

人間関係に悩まされることが少ない

完全にゼロということはないですが、非常勤の人間は、法人との関係では対等なパートナーとなります。

他のメンバーとのかかわりも、適度に距離を置きながらでOK。
どっぷりと(あるいはガチガチに)他者と関わらなくてよいのです。

また、仕事はスタッフが行う現場作業が中心です。
法人の行事への参加を求められたり、忠誠心を試されたり、などということはありません。

もちろん組織特有の社内政治などとも無縁になります。

公認会計士のバイト(非常勤)のデメリット

即戦力が求められる

業務委託契約に基づき対等な立場で仕事を任せられるには、それなりに仕事ができなくてはなりません。

ですので通常、条件として監査経験5年以上が求められます。

ただし中小法人によっては、この辺も結構、弾力的です。

大切なのは(修了考査までの3年間で)現場の仕事を一通りできるようになっていることです。

経済情勢により契約を切られる可能性もある

最大のデメリットです。

昨今では、経済情勢を含め何が起こるかわかりませんし、監査業界の過去を見ても楽観視ばかりしてられません。

一年更新の業務委託契約ですので、状況次第では今年で打ち切り、なんてこともあり得るのです。

また先々、現場作業のAI化が進んだ際には、現場スタッフの縮小・削減はあり得ない話ともいえないでしょう。

会計士協会の費用負担等について

会計士協会の会費(年間12万円)が自己負担となります。
まら、これに加え、国民健康保険や社会保険料を自分で全て負担しなくてはなりません。

いざ、これらの納付書が送られてくると結構、愕然とするものです。

あと、懸念されるのが退職金がないこと。
老後の蓄えも含め、自分の責任で管理していく必要があります。

結局、高い時給の裏面として経済的なマイナス面があることはしっかり認識すべきといえます。

監査のバイトには雇用形態もある:
雇用契約の場合は、安定性は増すものの、先ほど述べたメリットも小さくなっていきます(特に中小法人)。
具体的には、事務所との関係は支配従属的になりますし、現場以外の作業や参加を求められることもあるのです。
常勤のスタイルに多少なりとも近づいてくるわけです。

公認会計士のバイト(非常勤)が向くのはこんな人

  • ゼロから独立する
  • 育児や家事の時間や余裕が欲しい
  • ワークライフバランスを重視する

◆ゼロから独立しようとする人

ゼロから事務所や事業を立ち上げるのは結構大変です。

顧客や仕事の開拓には時間がかかるからです。

収入も限られ、なかなか生活も大変です。

そんな時こそ会計士のアルバイトは威力を発揮します。

◆育児や家事の時間が欲しい人

育児や家事は時間的にも精神的にも大変なもの。

常勤で専門職との両立は相当キツイといえます。

そんな中で、仕事の時間や日数を弾力的に決められるは大変魅力的と言えるでしょう。
しかも収入も悪くありません。

特に今後は、女性だけのマターではないはずです。

◆ワークライフバランスを重視する人

監査業務は一般に激務です。

3年、5年とやるにつれ、心身共に疲弊してしまう人も少なくありません。

他方、今日、脚光を浴びているのがワークライフバランスの考え方。

ですので、疲れた時こそ会計士資格を上手く活用したいものです。

監査のバイトで留意すべき事

大手監査法人の非常勤の求人は減少傾向にあります
また報酬単価も相対的に低いといえます。

ですので、監査の非常勤といえば、どちらかというと中小監査法人がオススメです。

ただし、その中小監査法人の非常勤にも色々と特徴や事情があります。

そこで留意すべき点を指摘しておきます。

  • 主査や審査などの現場以外の作業を求められることがある
  • 監査の品質管理やクライアントの状況によっては不安要素を抱える
  • 仕事の進め方につき、大手とのギャップに戸惑うかも

特に事務所の構成員が非常勤だけで構成されている場合は注意が必要です。
雇用契約となる時も同様です。

大手のパートでは基本的にありませんが、中小では現場以外に様々な間接作業や主査、審査をやらされることがあります

その際も、残業代の有無につき事務所によっては曖昧なところがあったりします(もともとの報酬単価が高いこともあり残業代は込々なんてことも)。

私の日当60,000円のケースでは(現場作業以外にサービスで)審査をやらされました。

ですので、残業の有無や現場以外の作業の有無も含め、必ず条件として事前に確認しておくことをお勧めします(後述する転職エージェントを活用するとスムーズにいくと思います)。

また、これとは別に、監査の品質管理の問題があります。

事務所によっては人員や時間が十分に取れないため、マニュアルをはじめとする管理体制が整ってなかったりするのです(特に法人メンバーが非常勤ばかりだと、その辺も含め責任が曖昧になりやすい)。

今日では、だいぶ整備され落ち着いてきましたが、金融庁の検査等に十分対応しきれていないところがあるかもしれません。

こうなると、最悪、業務停止命令をくらうような事態も…

要するに、クライアントの異動も含め相対的に不安定なのです。

あと付け加えておきたいのが中小法人特有の仕事の進め方について。

ガチガチにマニュアル化(お役所化)しておらず、弾力的かつ自主的に仕事ができるところが多いと思います。
融通が利いて、やりやすい反面、上記の通り、品質管理上問題があったりします。

大手にてキッチリ仕事をされてきた方からすると、戸惑うかもしれません。
「こんなんで大丈夫か…」あるいは「これって監査の仕事といえるのか?」と。

公認会計士のバイトの探し方

知人のコネクションを通じて紹介を受ける

  • 知人だからといって、監査法人とのコネクションがあるとは限らない
  • 断りづらく、しかも仕事に就いてから気苦労があるかも

まず考えられるのが、勤務していた監査法人や補修所を通じての知人のつて。

ただし、彼らが必ずしも監査法人とのコネクションを有するとはいえないでしょう。
もしあったとしても件数的に限られており、条件も含め折り合いがつくとは限りません。

しかも仮に話が進んだ場合は、断りづらいということもあります。
入所後も(知人が関わってきますので)なにかと気苦労が絶えなかったりして。

結果、人間関係を含め、かえってストレスが大きくなってしまった、なんてこともあり得ます。

公認会計士協会の求人情報サイトをチェック

  • 件数が限られており少なめ
  • 報酬単価について比較的低い案件が多い

日本公認会計士協会が運営するJICPA Career Naviは、会計士試験に合格すれば誰でも登録できます。

手ごろなうえ仲介者もおらず、スピーディーに決まるのがいいですが、上記の注意点もあります。

なので、転職エージェントのような第三者を介すのが面倒という人や、エージェントが合わないという人は活用すると良いでしょう。
時間があまりないという人も検討してみるとよいと思います。

とりあえずチェックしておいて損はないはずです。

転職エージェント・サイトの活用

結論的には転職エージェントの活用が最もおすすめということになります。

特に件数も多く、条件をきめ細かく設定できます。

また、アドバイザーが仲介してくれる場合は、先ほど挙げた留意事項について率直にお話ししてみると良いでしょう。

ここでは特に評判の良いエージェント・サイトを紹介しておきます。

会計士業界の転職市場に精通した転職エージェントです。
応募書類作成から面接対策まで広くサポートしてくれます。

公認会計士が創業した会計専門のエージェントです。
監査法人の求人が多数あります。もちろんサポート体制も充実!

管理部門・士業を幅広く扱っています。
監査法人に限らず幅広いフィールドで求人を扱っています。


最後に

公認会計士のバイト(非常勤)について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

確かに、会計士のバイトは単価が高く融通も利くため、悪い言い方をすれば”楽して稼げる”といえなくもありません。

他方(良し悪しは別として)オイシイ部分ばかりかというと、残念ながら実情は違います。

なにより先々のことも含め不安的な要素が払拭できません。

そこであえてこの記事では、マイナス面や注意点をやや強めに拾い上げてみました。

ぜひ、バイトの表と裏をしっかり認識したうえで、自分に合った会計士ライフを実現してみてください。

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