公認会計士試験の勉強時間、ほとんどの人が誤解している現実!

時計とパソコンに向かう男性

今回は公認会計士の勉強時間についてです。

先ず、何を皆さん誤解しているか?

「公認会計士の勉強時間が3000時間というのは間違っている」

こういった認識自体が誤解です。

ネット等で言われていることと真逆なので、ちょっとビックリされるかもしれませんが、

3000時間~4000時間という数字

(多少幅がありますが)実は適切な数字なのです。

こうした点を中心に、公認会計士試験の勉強時間について解説していきます。

反感を覚える人もいるかと思いますが、先ずはお読みいただけたらと思います。

この記事の執筆者

・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所を運営

目次

公認会計士試験の勉強時間の意味とは

計画時の勉強時間と実際(結果)の勉強時間は全く別物!

顔の目、鼻、口の位置があべこべの像

先の結論を少し補足します。

決して
自分は実際、○○○○時間(例えば6000時間とか8000時間)かかった」ことについて、嘘だ!と言っているのではありません。
これは本当だと思います。

また

「(自分の経験から)3000時間~4000時間というのは違和感がある」というのも間違いではないでしょう。
合格者本人がそう感じたのですから。

ところが、

公認会計士の勉強時間といったテーマで情報を得ようとしている人には、大変な誤解を与えかねません。

こうした人は、これから会計士を目指そうとしている人が殆どだと思います。

つまり、これから会計士を目指す際の勉強時間の目安(計画)について調べているのですね。
しかもその計画の目標とはできるだけ早く受かることだと思います。

これに対して「実際にどれだけ時間を費やしたか」は(合格者各人の)結果であって、全く別の話。
そのような実際の数字をもってきても(ある程度参考にはなっても)真の勉強計画としては意味はないのです。

皆さんは、試験科目の一つとして管理会計論を勉強しますが、そこでの内容が受験勉強そのものにも当てはまってきます。
これからの取り組みに対して、実際の数字を目安にすることは、目的達成をかえって阻んでしまいかねないということです。

会計士試験では最短合格を狙うのが大原則

合格者たちの実際の勉強時間をいろいろと調べていくと、何年かかるかわからない、といった不安がでてくるものです。

他方、脅しではないですが、
受験勉強の学力のピークは長くて3年目もしくは受験3回目です。
ここを過ぎると、勉強はマンネリ化し、学力も逓減していくものです。

なので(会計士試験に限りませんが)この手の難関試験は最短合格(1発合格)を狙っていくのが大原則

それこそ、最悪でも2年目が勝負!
もうあとがない!

そう覚悟して、
計画時も含め実際に勉強しているときは、3000時間(プラスα)ぐらいで最短合格を狙っていくのです。
(結果として倍の時間がかかってしまうかもしれませんが)受験生としては、実際に費やしそうな時間に気を取られていてはいけません(注:実際の勉強時間を事後的に測定するのはOKです)。

言い換えれば、何が何でも一発で合格してやる、という気概の問題ともいえます。

具体的な公認会計士の勉強時間

自転車で速く走る

基本は短答・論文の同時合格を狙う

ここでは、最短合格を狙った勉強時間を考えます(注:勉強時間を確保しやすい学生や無職受験生を前提とします)。

目標は、1年半で短答と論文の両方を合格すること。

具体的には、

4月から(もしくは余裕をもって1月から)勉強を始めて、
その年の12月もしくは翌年の5月の短答合格、さらに続けて8月の論文合格を目指すのです。

ザックリですが、勉強時間をシミュレーションしてみると

18カ月×30日×1日当たり6時間=3240時間

となります。

なお、ここでは平均的に6時間としていますが、

直前期(短答1か月前から論文試験まで)は、できれば10時間以上勉強に充てたいところです。

とにかく会計士試験は短答試験が特に大変です(12月試験は10%前後で、5月試験はそれより2~3%ほど下がります)。

なので、短答合格までは短答対策にできる限り専念します。

論文対策は超短期決戦~極限まで勉強時間を縮める!~

次に5月の短答合格を前提に、その後の論文対策について言及します。

論文では科目が増えるとともに、特有の対策が必要となってきます。

しかも試験まで3ケ月しかなく、短答と同時合格を狙うのであれば、相当絞り込んだ勉強にならざるを得ません。

他方で、論文の合格率は3割を超えています(学生の合格率は約5割)。

基本的な事項や誰もができる箇所をしっかりできるようにしていけば、勝算は十分あるのです。
実際に3ケ月で論文に合格している受験生は少なくありません。

そこでどのように効率的に勉強を進めるか。

基本は、答練と模試、そして過去問の徹底的な繰り返しです。
テキストは補助的に使います。

また、科目分野によっては殆ど手がついていないこともあるでしょうから、模試等の点数など気にする必要はありません。
とにかく、今は目標を(論文)本試験一本に集中するのです!

具体的なポイントは次の通り。

  • 勉強時間は10時間以上確保
  • まずボリュームのある租税法を1~1.5カ月、1日5時間以上、集中して取り組む
  • 計算(特に財務会計)はできるだけ毎日コンスタントに取り組む

論文でとにかく厄介なのが租税法です。
論文で初めて登場しますし、結構分量が多いうえ、無味乾燥です。
なので、短答終了後、6月までは勉強時間の半分以上を充てていきます。

それ以外の時間で会計学や企業法などに取り組んでいきますが、
直接、答練や模試に取り組んでかまいません(でないと間に合わない)。

なお注意したいのが、企業法について。
短答のうちから、試験用の条文集に馴染んでおくとともに、趣旨や論点を踏まえた学習をしておいてください(短答問題集の○×だけだと、非効率なうえ、これまた間に合いません)。

3~4000時間で残念な結果となった受験生の方へ

以上、最短合格を狙う旨についてお話してきました。

ところで、他のネット上の情報にもある通り、多くの方が3000時間での合格は実現できていません。
倍の、さらにはそれ以上の時間がかかっていることも確かです。

そこで考えてみてほしいのですが、

例えば、6000時間以上の時間をかければ、合格できるのでしょうか。

そんな保証はどこにもありませんね。

時間を長く費やせば合格できるような印象を受けますが、長時間かけても受からない人の数は膨大です。
中には、そのまま人知れず会計士受験界から去っていく人も少なくありません。

なので、1~1.5年死に物狂いで頑張ってみて残念な結果だった人は、その原因を真摯に考えてみてください。
必ず、来年につながるはずです(短期決戦で臨んでいった受験生だけができることです)。

他方、口惜しさが湧いてこなかったり、ショックを全く受けなかった人は、(厳しいことを言うようですが)来年も難しいかもしれません。
また漠然と時間が過ぎていくだけのような気がします。

そのような人は、今からでも遅くはありません。
ゼロから1年で結果をだす覚悟で取り組んでみてください。

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最後に

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公認会計士の勉強時間について解説してきました。

結局、
実際にどれだけの勉強時間がかかったか、なんていうのは人によってバラバラで、
聞いても「ああそうですか」ぐらいなものに過ぎません。
受験対策としては意味は薄いでしょう。

また、脇目も振らずに勉強している受験生が(自分の勉強時間は測っても)他者の実際にかかった勉強時間を気にかけているとは思えません。

目標に向けて邁進する。それあるのみです。

皆様も、今は最短時間で合格を目指していきましょう。

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