公認会計士におすすめの転職エージェント厳選4社を徹底比較!

公認会計士としての今後のキャリアを決めるに際して、どの転職エージェントを利用すればいいのか?

多くの会計士が悩むものです。

転職先の選定も含め半ば自分の未来を託すのですから。

実は筆者も30代の頃、一度エージェントの門を叩いたことがあったのですが、結構、大変な思いをさせられました。

本当にエージェント選びとその活用は大切だと痛感しています。

そこでこの記事では、プロフェッショナルである皆様にふさわしい、オススメの転職エージェント4社を厳選のうえ、徹底比較していきます。

<この記事の執筆者>
・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所を運営

ご注意とお願い

今回を含む一連の記事の執筆にあたっては、以下で解説するような基準を採用して客観性の担保に努めています。

ただし、筆者の主観的な判断が完全には排除できないうえ、比較の前提が完璧でなかったりします(例えば求人検索システムがエージェントごとに異なるなど)。

その辺りをご了承いただき、一つの参考にしていただければ幸いです。

目次

公認会計士におすすめの転職エージェント厳選4社

※以下では各エージェントのプロモーションを含みます。

スクロールできます
マイナビ会計士MS-Japanレックスアドバイザーズジャスネットキャリア
(公開)求人数約1,000約9,600約4,200約3,600
得意分野公認会計士管理部門
士業
公認会計士
税理士
公認会計士
税理士
サービス内容4.54.54.55.0
アドバイザーの質4.54.05.04.5
対応の早さ4.54.04.54.0
評判・口コミ4.03.54.54.0
主な年齢層20代・30代20代~50代20代~40代20代・30代
設立(歴史)1973年1990年2002年1996年
評価の数値は1~5までの5段階です(求人件数は令和5年8月26日現在)。

最初にオススメの厳選4社を紹介しておきます。

選定の基準としては次のようなものです。

  • 会計業界への精通度(特化の程度)
  • 歴史・実績
  • 求人数
  • サービスの質(サービス内容やアドバイザーの質、対応の早さを含む)
  • 口コミ・評判

マイナビ会計士

特徴
  • 公認会計士業界に特化しており、業界に詳しい
  • 大手マイナビが運営
  • 非公開案件が充実
マイナビ会計士
求人数
サービス内容
アドバイザーの質
対応の早さ
評判・口コミ
歴史・実績

マイナビ会計士は大手マイナビが運営している一方、公認会計士に特化しているエージェントです。

また、会計士は活躍フィールドが多岐にわたるのですが、この点についてもマイナビ会計士はしっかり対応しています。
例えば、監査法人にとどまらず、事業会社やコンサルファームへの求人も豊富です。

MS-Japan

特徴
  • 30年以上の歴史があり、ノウハウと実績が豊富
  • 管理部門・士業全般に強い
  • 幅広い年齢層にも対応
MS-Japan
求人数
サービス内容
アドバイザーの質
対応の早さ
評判・口コミ
歴史・実績数

MS-Japanは管理部門・士業に強いエージェントで、かつ歴史・実績もあります(30年以上の歴史の中で延べ2万人以上の実績あり)。

また、公開・非公開ともに求人が豊富であり、その扱い分野も監査法人や会計事務所にとどまらず、コンサルファーム、事業会社等、会計士に期待される活躍フィールド全般に及びます。

レックスアドバイザーズ

特徴
  • 担当者(アドバイザー)の質が高い
  • 会計・税務に特化しており、業界に精通している
レックスアドバイザーズ
求人数
サービス内容
アドバイザーの質
対応の早さ
評判・口コミ
歴史・実績数

レックスアドバイザーズは、担当アドバイザーの質が高い!
まずはその一言に尽きるでしょう。

一人一人に対する手厚いサポートが素晴らしく、業界知識の豊富さ、提案の的確性はもちろん、年収交渉や入社時期の調整等も万全です。

ジャスネットキャリア

特徴
  • 公認会計士が設立しているだけあって、会計士業界への精通度が高い
  • 非公開求人も充実
ジャスネットキャリア
求人数
サービス内容
アドバイザーの質
対応の早さ
評判・口コミ
歴史・実績

ジャスネットキャリアは公認会計士が設立しただけあって、とてもユニークな側面を持ち合わせています。

単なる転職支援にとどまらず生涯サポートを掲げており、アフタフォローも手厚く、大変頼りになるでしょう。

また非公開求人も充実しています。

公認会計士におすすめの転職エージェント求人数内訳

次に各エージェントのHP・求人検索をもとに、公認会計士・試験合格者向けの求人数内訳を示しておきます(令和5年8月26日現在)。
注:基本的に非公開求人は含まれませんのでご注意ください(以下同じ)。

スクロールできます
マイナビ会計士MS-Japanレックスアドバイザーズジャスネットキャリア
公認会計士7621,0261,360997
会計士試験合格者512625787486
監査法人236199210207
コンサルティング(※)192250254152
会計事務所・税理士法人2991,2971,991983
事業会社(※)109322423363
金融機関(※)39244555
(※)公認会計士・会計士試験合格者に限定

税理士や会計事務所関連のエージェントとしては、上記以外にも「マイナビ税理士」と「ヒュープロ」があります。

前者は税理士特化型であり、後者は会計事務所・税理士法人に特に強みを有するエージェントです。

公認会計士で税務を希望する方は、この2社の利用もぜひ検討してみてください(特に「ヒュープロ」はオススメです)。

なお、集計結果のオリジナルが次のシートです(汚い手書きですが、こんな風に一つ一つ調べてみました)。

エージェント別の求人内訳のリサーチ結果集計表(具体的な内訳の根拠資料)

公認会計士におすすめの転職エージェント・業種別ランキング【TOP3】

ここでは上の(公開)求人数をベースとした、業種別のランキングTOP3を示してみます。

監査法人事業会社・経理コンサル会計事務所
1位マイナビ会計士レックスアドバイザーズレックスアドバイザーズレックスアドバイザーズ
2位レックスアドバイザーズジャスネットキャリアMS-JapanMS-Japan
3位ジャスネットキャリアMS-Japanマイナビ会計士ジャスネットキャリア
事業会社・経理とコンサルは公認会計士及び試験合格者に限定

🍀監査法人

監査法人につきましては、どのエージェントも200件ほどであり、殆ど変わりありませんでした。

🍀事業会社・経理

レックス、MS-Japan及びジャスネットの件数が多かったのに対して(3~400件ほど)、マイナビ会計士は比較的少ない印象です。

🍀コンサル

コンサルではレックスとMS-Japanが多かったです。

🍀会計事務所

レックスが一番多く、次にMS-Japan、ジャスネットが続くといった感じです。

これに対して公認会計士特化のマイナビ会計士は少なめです。

ただし会計事務所・税理士法人に関しては、同じマイナビ系列の「マイナビ税理士」にて専門に扱っています。
会計事務所・税理士法人を希望される人はそちらの利用をオススメします。

会計事務所関連では、上でコメントように「ヒュープロ」も多数の求人数を有しています。

会計士向けエージェントの紹介サイトをリサーチしてみた(参考)

以上とは別に、客観的な参考資料として「公認会計士向け転職エージェント」の紹介サイト(ブログ)上位30件を調べてみました。

その中で(オススメとして)挙げられていたエージェントをカウントした結果が次です(令和5年8月26日現在)。
注:上の表が特化型エージェント、下が総合型エージェントです。

順位特化型エージェントサイト件数
1位ジャスネットキャリア28サイト
2位マイナビ会計士27サイト
3位レックスアドバイザーズ25サイト
4位MS-Japan24サイト
順位総合型エージェントサイト件数
1位リクルートエージェント18サイト
2位ビズリーチ15サイト
3位doda14サイト
4位パソナキャリア13サイト

ご覧の通り、やはり特化型エージェントが多かったです。

ただし総合型も決して軽視できないと考えます。

全体的に事業会社一般の求人数が多いうえ、(特化型が比較的弱いとされる)地方への転職も広く扱っているからです。

ですので、事業会社や地方(他にも営業などの異業種)を目指す方は総合型エージェントの併用も一考です。

なお、紹介サイト(ブログ)の中には、オススメのランキングまで具体的に示していたものもありましたので、参考までに一部紹介しておきます。

スクロールできます
AサイトBサイトCサイト
1位ジャスネットキャリアMS-Japanマイナビ会計士
2位MS-Japanマイナビ会計士MS-Japan
3位レックスアドバイザーズジャスネットキャリアレックスアドバイザーズ
4位マイナビ会計士レックスアドバイザーズジャスネットキャリア

以上の結果からも、今回紹介している4社を選べばまず間違いないと言えましょう。

公認会計士が転職エージェントを選ぶポイント

転職を成功させるための、最も基本的なこと

近年、会計士の転職エージェントのサービスは大変充実したものとなっています。

例えば次のようなサービスは、特化型エージェントの多くで提供されています(上記で紹介したすべてのエージェントを含む)。

  • カウンセリング
  • 検索求人システムの利用
  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 面接対策
  • 年収交渉て退職アドバイス

つまり、基本的にサービス内容は殆ど変わらないということです。

他方で、会計士の転職市場の拡大に伴い、各社ともアドバイザーを増員しています。

そこで問題となってくるのが、アドバイザーの質にバラツキがでてくること。

実際に活動していくと、このアドバイザーの問題以外にも、いろいろと不安や疑問がでてきます。

そのような中で、エージェントを1社に絞っていると、最悪、疑心暗鬼になってしまうこともあったりします。

そこで大切なのはエージェントの比較・相対評価です(アドバイザーとの質・相性や提案の的確性、対応の早さなど)。

具体的には4~5社ほどのエージェントの併用です。

転職活動の成功のためには事実上マストと言ってよいでしょう。

他にも、各エージェント限定の独占案件などに出会えるメリットがあります。求職者にとっては、それだけ選択肢が増えるのです。

なお、この記事では併用できる4社を厳選して紹介しています!

良いエージェントとは

  • 求人数が多い
  • レスポンスが早い(逆に転職を急かさない)
  • アドバイザーの業界知識がしっかりしている
  • 提案やアドバイスが的確

🍀求人数が多い

「量より質」という言葉を近年耳にしますが、それは「量」が確保されてからのハナシです。

特にビジネスではそうですが、まずは求人数(選択肢)を揃えていることが前提です。

ただし、注意したいのが非公開求人について。

今日の求人は非公開案件に重点が移りつつありますので、単純に公開求人数で判断するのは難しいということです。

非公開なのは求人企業側の都合によるものであり、求職者側から見ると、透明性に欠けるようにも感じます。
ただし、非公開なのはそれだけ優良ポジションであることも少なくないので、その案件数の多さ(あるいは割合)にも注意が必要です。

🍀レスポンスが早い

転職は比較的短期決戦と考えてよいでしょう。
仕事の忙しさも考慮すると、本当に時間との戦いです。

そこで大切なのがレスポンスの早さです(エージェントビジネスとしては基本中の基本です)。

ただし、(レスポンスが早い分)中には転職を急かそうとする担当者もいたりしますので注意が必要です。

🍀アドバイザーの業界知識がしっかりしている

転職ノウハウと業界知識は必ずしも同じではありません。

例えば一般転職でIFRSや内部統制の話をしても、コミュニケーションは取りづらかったりするものです。

そこでは、公認会計士というプロフェッショナルを相手にアドバイスや提案をするわけですから、それなりに業界に精通していることが求められます。

そうした意味で会計士の転職では(営業職などへの転職を目指さない限り)総合型ではなく特化型のエージェントを利用すべきです。

🍀提案やアドバイスが的確

いくら業界知識があっても、提案やアドバイスがチグハグでは意味がありません。

当然ながら求人企業側のリクエストもあるので、まさにこのマッチング(案件のセレクト)はプロのエージェントの腕の見せ所です。

ただし、やはり完全はありませんので、上でも述べた通り複数エージェントの併用が欠かせません(担当者との相性も考慮すると尚更です)。

公認会計士が転職エージェントを活用する際の注意点

  • 転職活動を長引かせない
  • 100%希望通りになるとは限らない
  • 同一企業に複数のエージェントから応募しないこと
  • 監査経験を過信しない(特に監査法人から初めて転職する人)

転職活動を長引かせない

転職は一生がかかる大切なイベントなので、極力慎重であるべきです。

ですが、それでは時間をたくさんかければ良いのかというと、それは違います。

結論を言えば、エージェントを活用し始めてから2~3ケ月を目途にするのがちょうど良いと言えるでしょう。

周囲を見ても、入社後に満足している人は、意外と短期決戦で決断しているものです。

100%希望通りになるとは限らない

意外と認識されていないのですが、エージェントにとってのクライアントとは(報酬をくださる)求人企業です。

アドバイザーが直接の営業担当でなくとも、その給料の源泉が求人企業であることに変わりありません。
こうした状況下で、中立を貫くのが難しいことは、会計士なら多少なりともおわかりいただけるはずです。

当然ながら、求職者のリクエストだけを優先することはあり得ません。

つまり希望がすべて叶う保証はないということです。

そこで大切なのが優先順位をつけておくこと。

特に絶対に譲れない条件を事前に明確にしておき、その旨をエージェントに伝えておきます。

同一企業に複数のエージェントから応募しないこと

繰り返しになりますが、転職で成功するためには、複数のエージェントの併用は事実上必須です。

ただし、いくら複数と言っても10社も15社も掛け持ちするのは多すぎます(上でも述べましたが、4~5社ほどがちょうどよいです)。

また、併用で特に注意すべきは、同一企業に複数の(別の)エージェントから応募しないこと。

単にマナー違反なだけでなく、信用を失ってしまいます(もちろん採用率が高まるなどということはありません)。

特に多く掛け持ちし過ぎると管理しきれず、うっかりやりがちです。

特に転職が初めての方は、気をつけるべき。
気持ちはわかるのですが、欲張ったり焦ったりしてしまうのです。

監査経験を過信しない(年収ダウンの覚悟も必要)

もう一つ、会計士向けの注意点を挙げておきたいと思います。

それは(転職希望先が監査法人である場合を除き)監査経験をあまり過信しないこと。

監査調書の作成一つとっても、法人の外では意外と評価されません。

ズバリ言えば、税務であれ、事業会社であれ、事実上、転職ならぬ転身であり、場合によっては年収ダウンは覚悟すべきです(例えばシニア<主査>からの転職なら100万円以上のダウンなど普通です)。

経験値をワンランク上げるためのスキルアップやキャリアアップには、(収入的には)一旦引いてみることも転職のポイントです。

ですので、会計士と言えども転職は早ければ早いほど良い、ということになります。

試験合格者がエージェントに必ず確認しておくこと

ここでは会計士試験合格者の方を念頭に、就職先の条件としてエージェントに必ず伝えておいてほしい確認事項を挙げておきます。

公認会計士登録の可否に関係してくるからです。

  • 実務要件を満たせるか
  • 補修所に通えるか
  • 修了考査直前に試験休暇をもらえるか

監査法人勤務であれば、まず心配いらないのですが、
中には修了考査前に転職しようとしたり、監査法人以外に就職しようとする人もいると思います。

他にも、年齢等を理由に監査法人への就職が厳しかったり、合格した時が就職難だったりするケースもあるでしょう。

🍀実務要件を満たせるか

監査業務なら問題ないのですが、企業等に勤務の場合、一律に要件が充足されるわけではありません。
個別に判断されます。

例えば、資本金5億円以上の法人等を対象とする原価計算や財務分析など(実務従事)である必要があります。

また、注意したいのが、会計事務所での税務業務や記帳代行。
これらも実務従事とは認められず実務要件を満たせません。

🍀補修所に通えるか

この条件については、企業によっては難色を示すところがあったりします。

就職難のころ、一般企業に就職した人の中にはこれが原因で事実上、会計士の道を断念した人もいました。

現実として繁忙期を中心に仕事を抜け出すのは難しかったりするものです。

🍀修了考査直前に試験休暇をもらえるか

これも上と同様です。

できれば少なくとも1週間から10日は欲しいところですが、
(有給休暇は別として)「試験休暇なるものは認めない」などとする、否定的な企業や事務所もあります。

以上の事項をエージェントに必ず伝え、これらを確実に満たす求人企業等の紹介をしてもらいましょう。

最後に~筆者の惨めな転職エージェント体験談~

最後に筆者のエージェントにまつわる体験記を紹介したいと思います。

冒頭でも述べた通り、筆者は一度エージェントを利用したのですが、結論としては転職は断念することに。

独立する踏ん切りがついた、といったところでしょうか(独立と言っても弁理士に転身して親父の特許事務所を継いだのですが)。

とにかく面談の段階で「サラリーマンには向いていない」だの「独りで自由にやっていけばよい」だの、カウンセラーは言いたい放題。

でも、”雇われる側”から”雇う側”になってわかったのですが、もし仮に筆者のような求職者が応募してきたら絶対落とすと思いました(というより、そのような人物をよこすエージェント自体を切っていたでしょう)。

やはりプロのエージェントは人間をそれなりに見ているのだと思います。
キャリアで迷ったら周囲に相談するのもいいですが、やはりプロに聞くのがベストです!

ところで、あれから十ン年。少しは”その人間”が成長したのかと問われると、・・・

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