税理士・公認会計士が独立開業する方法|会計事務所の成功の秘訣とは

税理士や公認会計士の資格を取る以上、独立して自分の会計事務所を開業したい!

こう考える人は多いと思います。

独立は勤務とは異なり、業務から収入まで自分で全て決められるので、とてもやりがいがあるのは確かです。

とても魅力的ではあるのですが、
他方で、そうした独立開業のハードルは昔に比べ高くなってきています。

せっかく事務所を構えたのに、開店休業や廃業も少なくありません。

そこでこの記事では、税理士や公認会計士が独立開業する方法について解説してみたいと思います。

目次

独立開業に向けてのビジネスビジョンを持つ

事務所を軌道に乗せるには顧客の開拓が欠かせません。
つまり営業です。

ですが士業の皆さんはココで頭を抱えるものです。

今日では税理士も過当競争下にいます。
大昔のように単にビラ配りしたり、あちこちに顔を出して名刺を配っただけではなかなか厳しいでしょう。

やはり今日では、仕事や顧客の開拓は、自分の専門分野や得意分野(実務)とリンクして行っていくのが得策です。

やや抽象的な言い方をすると、
自分のビジネスビジョンを明確化して、その上で然るべき人脈を築いていくのです。

少しばかりユニークな例として、今日でも話題となっているネット関連分野を取り上げてみます。

まず仮定として、自分は税務の専門家だが、ネットビジネスにも強い関心があるとします。

すると、その分野を差別化要因にすべく、関連する業務を経験したり、勉強したりすることが考えられるでしょう。

そうした中で成功のカギとなるのが、税理士業とは別の世界の人々との交流です。

税務にネットノウハウ等を加えた差別化戦略を人脈形成と併せて展開していきます。

またネットといえば、ツイッター等のSNSです。

今日では事務所HPと併せて、有力な営業ツールとなっています。
これらを通じて、自分の得意分野をアピールするとともに、税務や会計の情報を発信していくことも効果的です。

特に税理士等の士業はITやAIの影響をもろに受けていながら、こうした分野は(高齢化もあって)手薄になりがちです。

そうしたところに、積極的に切り込んでいけば、道はいくらでも開けていくはずです。

税理士での独立は早い段階からキャリア設計をしよう

最初から自分の適正も含め先々の方向性を定めることは難しいものです。
現実には勤務時代での(与えられた)仕事が自分の専門分野になることも多いでしょう。

ですが、できれば実務を始めるスタート時点から、キャリア設計は考えていきたいもの。

そこで一つお勧めなのが期間を区切って業務にあたることです。

例えば「この事務所で2年間めいっぱい頑張ってみて、その間に様々な方向性や可能性を探ってみる」といった具合です。

場合によっては、税理士業務そのものが向いていないかもしれません(1年もやれば分かるはずなので、もし向かないと判断したら、ダラダラ続けず方向転換しましょう)。

そのうえで、特に独立を目指すなら、自分の適性ややりたい分野を見極めながら、得意分野や差別化要因を磨いていくのです。

具体的なキャリアとしては、例えば次のようなものが考えられます。

  • 一般税務2年→資産税特化で2年→独立開業
  • 一般税務3年→ITコンサル2年→独立開業
  • 監査法人→(資産税またはFASなど1~2年)→独立開業

キャリア設計のポイントは早いうちから意識していくこと。

成り行きに任せた独立では、開業時点はもちろん、その後の事務所経営も厳しいものとなります。
営業から実務まで受け身の姿勢になりがちで、効率の悪い業務運営をせざる得なくなったり、顧客の質に悩まされたりするのです。

税理士で独立開業したら是非やってほしいこと

税理士になると、税理士会に入会します。

その会では、多くの先輩先生方が様々な活動や行事を通じて税理士業界を支えています。

そこでお勧めしたいのが、税理士会での様々な活動(会務)や行事への参加です(新入会員向けの懇親会を頻繁に設けています)。
仲間同士で色々と助けてもらえるからです。

例えば、自分で仕事をする上では、税務上の判断から顧客とのトラブルまで、結構悩みは尽きなかったりします(特に顧客絡みの懸案は実に多い!)。

なので支部主催の勉強会などに、ぜひ参加してみましょう。


あと、同期の税理士達同期会をつくってみるのもよいと思います。
税理士会を通じた交流よりも堅苦しさがなく、気軽に情報交換ができるでしょう。
これがホントにありがたく感じることがあります。

こんなやり方では独立は失敗してしまう

  • 間違った営業活動
  • 薄利多売や過度な値引きで営業しようとする
  • ミスの連発や大きな税務判断ミス
  • 従業員への丸投げ
  • 事務所内でのパートナーとの軋轢

間違った営業活動

営業活動の成否は独立の成否に直結するため、多くの人が(実務とは別に)これに腐心します。
異業種交流会への参加や税理士会主催の相談会などを考えている人もいるでしょう。

他方で、闇雲に名刺を配ったり、会合等に参加したりするだけでは、効果はほとんど期待できないもの。
結局、安定した顧客を確保できず、事務所が立ちいかなくなることも少なくありません。

特に行き当たりばったりで独立しようとすると、そうなりがちです。

なお、具体的な営業活動については別記事にて詳しく解説しています。
ご興味のある方は、是非参考にしてみてください。

低価格や過度な値引きで営業しようとする

仕事欲しさのために、低価格をアピールしようとする新規開業者が後を絶ちません。

確かに、新規立ち上げの零細企業を中心に、顧問料の安さに引き寄せられる顧客はいるものです。

ですが、安さだけを前面に出せば、やがて事務所は疲弊してしまいます。
日常業務を適切に回すことが困難になったり、下手をすると採算が取れなくなってしまうのです(特に人を雇う時)。

また、一方的に値引きを要求してくる顧客も要注意です。
本来事務所がやるべきではいことまで求めてきたり、中には不適切な税務処理を迫ったりする事業者も皆無とは言えません。

ミスの連発や大きな税務判断ミス

会計事務所の業務には、細かい事務処理から大きな税務判断を伴うものまで色々とあります。
いずれにしても、当然ながらミスは避けたいものです。

身近なトラブルとしては、例えば、給与明細を取り違えて渡してしまったりすることなど。
顧客離れの原因につながります。

また、比較的大きな間違いとしては、消費税絡みが多いかと思います。
税理士損害賠償に発展することも少なくありません。

実際に「前の税理士を訴えたいんだけど」なんて話がきたりします。

従業員への丸投げ

これも実に多い。
所長(あるいは有資格者)がチェックしていないですね。

例えば大昔、知人の事務所で次のようなケースがありました。

顧客は消費税の免税事業者なのですが、消費税分を売り上げ金額から抜いて処理してしまっていたとのこと。

(資料が提出されたままに)担当者が機械的に決算処理等していたようですが、
調査前日になって、領収書(レシート)控えと現金出納帳の金額が合わなくて慌てていました。

結局、担当従業員に丸投げしていると、こうなってしまうのですが、
プロとしては完全に失格です。

事務所内でのパートナーとの軋轢

共同事務所を運営するときは注意が必要です。

共同経営者の間で主従があれば別ですが、
対等な関係ですと、経営方針を巡り衝突したり、事務所の経費や備品のことで軋轢が生じたりするのです。

開業当初は予想しないものですが、事務所が軌道に乗ってくる頃に色々と問題が持ち上がってきます。

ですがこうしたトラブルは、結局クライアントの信頼失墜につながり、事務所の運営を阻んでしまいます。

パートナー選びは、婚姻以外でも慎重にしたいものです。

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最後に

税理士・公認会計士の独立開業について解説してきました。

冒頭でも言いました通り、今日では独立は決して易しくはありません。
また独立したと言っても、その実は監査法人等のパートだったり、予備校講師だったりします(もちろん、それはそれで決して悪くはありません)。

他方で、成功している人達もいます。
彼らに共通しているのは、勤務時代の早いうちから、将来を真剣に考え、しっかりキャリア設計をしてきたこと。
志高く、夢の実現に向けて邁進してきたのですね。

是非、皆様も彼らのあとに続いてもらいたいと思います。

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